スニペットコードを登録すると、コードを1文字ずつ書かなくても自動的に補完入力することができます。
この記事では、Visual Studio Codeにスニペットコードを登録して、使う方法を紹介します。
スニペットコードを利用するメリット
スニペットコードを利用するメリットを箇条書きすると以下のようになります。
- 長いコードを自動補完できる
- 決まりきったコードを覚える必要がなくなる
- テスト済みのコードであれば、テスト工程を一部省略できる
スニペットコードの1番のメリットは、コード入力が自動化されることによる、工数削減です。
また、そのコードがテスト済みであれば、単体テストなどテスト工程の一部省略ができる可能性があります(結合テストやシステムテストは必要になります)。
Visual Studio Codeのスニペットコードデータの具体例
Visual Studio Code のスニペットコードのデータ形式は、JSON形式になります。
Visual Studio Codeのユーザースニペットは、以下のように記述します。
"C# LiteDB でデータベースを作成してレコードをインサートするコード": {
"scope": "csharp",
"prefix": "litedb",
"body": [
" public static void createLiteDB()",
" {",
" using (LiteDatabase litedb = new LiteDatabase(@\"C:\\jwork\\@Programming\\CoreConsole\\DataBase\\lite.db\"))",
" {",
" var col = litedb.GetCollection<customer>(\"customers\");",
"",
" customer cus = new customer",
" {",
" name = \"John Doe123\",",
" phones = new string[] { \"000-0000\", \"111-1111\" },",
" isActive = true,",
" additional = \"additional data\"",
" };",
"",
" col.Insert(cus);",
" }",
" }",
"",
],
"description": "C# LiteDB でデータベースを作成してレコードをインサートするコード"
}
scopeが「csharp」、prefixが「litedb」となっていますので、csharpファイル(*.cs)でこのスニペットコードが有効になり、「litedb」と入力すると、bodyに記述したコードが補完されます。
スニペットコードを記述する方法
スニペットコードを記述するファイルは、プロジェクトやプログラム言語ごとに記述するファイルや、グローバルに呼び出せるものがあります。
ここではグローバルスニペットコードファイルの呼び出し方を紹介します。
まず、左下のアカウントアイコンをクリックして、「User Snippets」をクリックします。
画面上部にメニューが表示されますので、「New global snippets file...」を選択します。
次にテキスト入力欄が表示されます。グローバルスニペットファイルのファイル名を入力してください。
ファイル名を入力すると、エディタエリアに表示されます。
今回は具体例として使用した以下のコードを入力してみます。
"C# LiteDB でデータベースを作成してレコードをインサートするコード": {
"scope": "csharp",
"prefix": "litedb",
"body": [
" public static void createLiteDB()",
" {",
" using (LiteDatabase litedb = new LiteDatabase(@\"C:\\jwork\\@Programming\\CoreConsole\\DataBase\\lite.db\"))",
" {",
" var col = litedb.GetCollection<customer>(\"customers\");",
"",
" customer cus = new customer",
" {",
" name = \"John Doe123\",",
" phones = new string[] { \"000-0000\", \"111-1111\" },",
" isActive = true,",
" additional = \"additional data\"",
" };",
"",
" col.Insert(cus);",
" }",
" }",
"",
],
"description": "C# LiteDB でデータベースを作成してレコードをインサートするコード"
}
スニペットコードを呼び出す方法
実際に記述したスニペットコードを呼び出してみます。
上記の例では、"scope": "csharp" ですので、「*.cs」ファイルから呼び出します。
"prefix": "litedb" としていますので、「*.cs」ファイルに「litedb」と入力することで、コードが自動入力されます。
スニペットコードに必要な情報項目
Visual Studio Code のスニペットコードに必要な情報項目は以下のとおりです。
- scope
- prefix
- body
- description
scope
scopeは、スニペットコードを有効にするプログラム言語を指定します。
プログラム言語は、以下のLanguage Identifiersを指定できます。
以下は2022年5月の情報です。
プログラム言語 | scope |
---|---|
ABAP | abap |
Windows Bat | bat |
BibTeX | bibtex |
Clojure | clojure |
Coffeescript | coffeescript |
C | c |
C++ | cpp |
C# | csharp |
CUDA C++ | cuda-cpp |
CSS | css |
Dockerfile | dockerfile |
F# | fsharp |
Git | git-commit, git-rebase |
Go | go |
Groovy | groovy |
Handlebars | handlebars |
Haml | haml |
HTML | html |
Ini | ini |
Java | java |
JavaScript | javascript |
JavaScript React | javascriptreact |
JSON | json |
JSON with Comments | jsonc |
LaTeX | latex |
Less | less |
Lua | lua |
Makefile | makefile |
Markdown | markdown |
Objective-C | objective-c |
Objective-C++ | objective-cpp |
Perl | perl, perl6 |
PHP | php |
Plain Text | plaintext |
PowerShell | powershell |
Pug | jade, pug |
Python | python |
R | r |
Razor (cshtml) | razor |
Ruby | ruby |
Rust | rust |
SCSS | scss, sass |
ShaderLab | shaderlab |
Shell Script (Bash) | shellscript |
Slim | slim |
SQL | sql |
Stylus | stylus |
Swift | swift |
TypeScript | typescript |
TypeScript React | typescriptreact |
TeX | tex |
Visual Basic | vb |
Vue | vue |
Vue HTML | vue-html |
XML | xml |
XSL | xsl |
YAML | yaml |
最新情報は以下のURLを参照ください。
項目「scope」は省略することが可能です。省略すると、「global.code-snippets」に書かれたコードは、すべてのプログラム言語が対象になります。
prefix
prefixとは、スニペットコードを呼び出す文字列です。
上記の例では「litedb」としましたので、「litedb」と入力することで、スニペットコードを呼び出すことができます。
body
bodyには、スニペットコードそのものを記述します。
注意事項としては、ダブルクォーテーション(“)をエスケープする必要があることです。
ダブルクォーテーションをスニペットコードに含めたい場合は、バックスラッシュでエスケープしましょう。
description
descriptionは、スニペットコードの説明文です。
Visual Studio Codeでprefixにあたる文字列を打ち込んだときに、descriptionにあたる文章が説明文として表示されます。
この説明文をたよりに、スニペットコードを選択していくことになります。
Pacode.netでスニペットコードを探そう
Pacode.netは、技術系ブログに記載されているコードをブックマークできるウェブアプリです。
ブックマークしたコードをコメントと共に呼び出したり、コピペすることもできます。
Pacode.netにコードをブックマークすると、以下のとおり、ブックマーク元のページと共に表示します。
Visual Studio Code のスニペットコードを生成することもできますので、自力で作成する手間を省くことができます。
利用は完全無料ですので、ぜひ使ってみてください。
pacode.net - Code Search & Paste
Visual Studio Codeは機能ありすぎ!
Visual Studio Codeはオープンソースのコードエディタです。
コードエディタと言いつつも、デバッグもできますし簡易Webサーバも立てられますし、ソースコード中のTODOを検索してツリー表示することもできます。
インストール可能な拡張機能の数は30,000以上と言われており、とても便利な機能が数多くあります。
そのため、Visual Studio Codeを使いこなすには、それなりの情報収集が必要です。
「Visual Studio Code実践ガイド」は、
- Visual Studio Codeの基本的な使い方
- TypeScriptやPythonなど、実際の開発を通した Visual Studio Code機能の紹介
- Visual Studio Code拡張機能の開発方法の紹介
などが収録されており、Visual Studio Codeの機能を体系的に理解するのに最適な書籍です。
電子書籍化されていますので、まずは kindleなどで試し読みしてみてはいかがでしょうか。
コメント